このサイトにはPRが含まれています

アメリカ帰りの看護師が人間関係に悩むときの対処法


佐藤まりこ(東京都 37歳 看護師)

今回は病院の人間関係について。

Facebookではお伝えしたが、私は23歳からの7年間、アメリカの病院で看護師として働いていた。
30歳の時、帰国して日本で働くことに。

そこで感じたこと。

日本の病院は酷い。
いじめ、陰口、悪口、パワハラ、モラハラが頻繁に起こる。

特に陰口は聞くに堪えない。
仕事に関することならまだしも、容姿、家族、持ち物、どこに行って、何を信じていて、どんな趣味があるか。
こうした陰湿さは、日本特有だと感じる。

こうした人間関係の対処法を書いてみる。


アメリカは即解雇が当たり前

日本では、いじめやパワハラに誰も異議を申さない。

でもアメリカであれば、即刻大喧嘩に発展する。
裁判にもなる(これは大袈裟ではなく、市役所へ手続きに行くような感覚で裁判になる)

それにアメリカでは、職場の雰囲気を悪くするスタッフは即刻クビになる。

この即刻というのも大袈裟ではなく、朝出勤したらクビだと言われ、そのまま荷物をかたづけて、1時間後には退職しなければいけない。

もちろんモメることもある。
しかし「私には家族が!」と訴えても、「お前の家族と契約した覚えはない」とバッサリ切り捨てられる。
それ以上モメるとボブ・サップのような巨大な警備員に銃を突きつけられ、裏口から放り出されることになる。

(病院のセキュリティの方々。丸太のような腕。暴れる患者さんにも対処してくれる)

とある経営者が「俺の病院をメチャクチャにしやがって!この腐れアマ!今すぐ消えろ!」と罵倒して、30代の看護師をクビにしているのを目にしたこともある。
向こうではそういったスタンスで経営をしているため容赦がない。

アメリカではクビにするのは合法である。
リストラ理由を伝える必要もなければ、時間的な猶予も必要ない。
不要な従業員は、即刻クビが許されている。

引き継ぎの文化もない。
残る人は大変だが、それについて文句を言う人もいない。

とあるマラソン大会で「おー、マイケルじゃねーか、久しぶり、元気か、お前をクビにして悪かったな、実は俺もクビになったんだ!ハッハッハ」とハイタッチしているのを見たことがある。

アメリカはリストラ文化なのだ。
患者さんも「あの悪党が消えてくれてせいせいしたよ!」と喜ぶ。


さて。
日本にはこうした悪党が多い。
一部の陰湿な人間が、職場の雰囲気をめちゃくちゃに悪くしている。

しかも日本では、悪党ほどリーダーになることがなぜか多く、さらに犠牲者を増やしている。

でも日本では、法的にこうした悪党をリストラできない。
この労働法こそが、劣悪な労働環境の元凶なのだと言われている。
これを地獄と呼ばず何と呼ぶのか。

アメリカでは、雰囲気を悪くする人間はすぐに報告されてクビにされる。
悪党がリーダーの立場になることは稀である。

そのためなのか、職場で感じるストレスは異常に少ない。
もちろんやり合う時はビックリするくらい盛大に罵りあうため、それなりの覚悟が必要になる。

しかし後腐れ少ないため、悩みとして定着することは無い。
むしろ言いたいことを言い合うと、その後は仲良くなるのが人間である(私の親友の一人はそうしてできた)


(大げんかはしたが人間関係で悩むことはほぼ無かった)

アメリカでは、陰口を叩くような人間はクビになる。
専門職(医師や看護師)であっても、容赦がない。


ナチュラルな退職風景

さて。
即刻クビ文化のアメリカだが、逆に「労働者側もすぐ辞める」文化でもある。

朝に電話があり「退職することにしたわ。もう行かないから。ごめんねー。伝えておいて」とサラッと言われたことがある。
これは特に驚くべきことではない。
割とよくあった。

アメリカでは即日退職が許されている。

・法的にOK
もちろんアメリカでは州ごとに法律が違うため、全てという訳ではないが、ほとんどの州が「自由意志雇用契約」となっている。
自由意志雇用契約とは「経営者と労働者、どちらからも、いかなる場合も、予告なしに、理由なしに、破棄できる」というものだ。
つまり即日クビOK、即日退職OKなのだ。

・退職理由はいらない
上記の自由意志雇用契約の通り、アメリカでは「理由なし」に退職できる。
これは経営側のみならず、労働者側も同じだ。

しかし日本では理由がなければ退職できない。
理由を作るために引っ越しを計画したり、婚活をしたり、子供を作ろうとしたり、病気になろうとしたり。
常軌を逸している。
アメリカならでそんなことが起これば「お前はどんな弱みを握られているんだ!?」「子供を人質に取られたのか!?」と通報される。

・引き継ぎがない
辞める人は、辞める会社の今後など考えない。
だから引き継ぎがない。
業種によっては「引き継ぎ?なんだいそれは?」と言われる。
またアメリカでは業種を問わず「新任者なりの新しい仕事術」が求められ「前任者の仕事をトレースするだけの奴は無能」というカルチャーが定着している側面もある。

・上司も突然辞める
リーダークラスもナチュラルに辞めていく。
私の直属の上司(主任クラス)が突然来なくなったとき、まったく連絡が取れなくなり、アパートを見に行くと大家さんから「先週引っ越したよ」とあっさり言われた。
その数ヶ月後、同僚が道端でばったり出くわして事情を聴くと「良い条件でヘッドハンティングされて、すぐに来てくれって言うからw」と話していたそうだ。
しかもそれを非難する人はおらず「じゃあしょうがないね」といった空気である。
これを日本でやると異常者だと思われる。


(新人ガイダンスのひと時。その後3年で全員退職。私を含めて)


日本の異常性

アメリカのニュース番組で日本の奉仕的な報道が取り上げられたことがあった。
日本では嫌なことがあっても耐え抜いて働くことが美徳とされている、そういった内容だった。

その翌日、「日本はなんてクレイジーな国なんだ!」と同僚から言われた。
「人間関係がイヤで仕事を辞めると、また同じ理由で辞めることになる。それが不安。だから我慢している」とインタビューで語っている日本人の姿が衝撃的だったようだ。

「仕事の悩みは人間関係が大半」
「それを人間の弱さのように考えるのはイカれてる!」
「日本人は経営者に洗脳されているのか!?」
(確かに洗脳されているとは思う)


(同僚達はまるで自分のことのように怒っていた)

日本では人間関係を精神論で解決しようとする。
アメリカではありえない。
合理的な結論として、話し合い(殴り合い)、または転職を選ぶ。

日本人がよく言う「逃げ癖」というのは確かに存在すると思う。
楽な方に流れるのは、自然の本能だから。

しかし実際に転職を繰り返す人は、日本人でも少数だ。
たいていは4、5回だろう。
それを一部メディアが象徴的に取り上げ、刷り込まれて、いわば洗脳されている。
という研究結果もある(ハロー効果・認知バイアス)

外から見ると、それが異常に映るのも無理はない。


日本に帰ってからのこと

私は日本戻ってから3回職場を変えている。

1度目は、同僚の度重なる陰口に「不愉快だ」と伝えると、私の陰口を叩くようになり、それを経営者に「あいつらはクズだ。クビにしてくれ」と進言すると、なぜか私が異動させられることになり辞めた。
2度目は、師長からの度重なる嫌がらせに「話し合いたい」と伝えると、話し合う前に嫌がらせが加速したため、それを経営者に「あの上司は無能だ。クビにしてくれ」と進言すると、なぜか私がクビになった。
それでも日本の法律上すぐには辞められず、2週間も我慢した。
引き継ぎをしろと言われたが、もちろん断った。
辞める病院のことを考える気はない。

3度目は正解だった。
ようやく落ち着ける病院に出会えた。

人の相性は生理的なもの。
「なぜ好きか、なぜ嫌いか」なんてよく分からない。
何となく好きで、何となく嫌いなのだから。

合わない人と、自然と相性が良くなることは無い。
もちろん無理して仕事上の付き合いをすることはできる。
しかしその関係が気にならないレベルならいいが、悩みになるレベルであれば転職するしかない。

ストレスを溜めて、死にたくなるほど悩むなんて本当にクレイジーだと思う。


(休日に友人家族とよく行った丘。カラっとした日が多く気持ちがいい)


悩んでいるなら

人間関係は、働いてみないと分からない。
だから転職で失敗する。

でも。
だったら数をこなせばいい。
職場をいくつも経験して、自分に合った居場所を見つければいい。

転職先は看護師であれば山ほどある。
一般職に比べれたら恵まれている。

もちろん成功確率を高めるための努力は惜しんではいけない。
事前に情報を集め、自分に合いそうな職場を選んだほうがいい。

今は便利な世の中になっていて、そうしたサービスも活発だ。
例えば、職場の内情を教えてくれる転職サイトがある。
こうしたサービスは有効活用したほうがいい。

個人的に大手の転職サイトを利用したが、とても便利なサービスだと思った。
大手転職サイトは、優良な病院とコネクションがある。
給料が良かったり、休みが取りやすいなど、他よりも条件の良い病院を紹介してくれた。

こうしたサービスはアメリカでもある。
でも有料。
3000ドル~10000ドルが相場(35万~120万円)

それが日本では無料なのだから驚いた(企業側が払うらしい)
これを利用しない手はない。

転職は精神論ではない。
合理的な考え方が必要だ。
あとは行動あるのみ。

職場に嫌な人間がいるのなら、辞めて楽になればいい。
苦しむ必要はまったくない。

嫌なら辞める。
それを責める人間もいるが、おそらく洗脳されている。
自分の道を進むのが賢明だろう。

アメリカは自由を重んじる国。
自由とは「自分の人生を、自分で選択できる」という意味でもある。

日本は何かと不自由だ。
しかし看護師ならば、求人は山ほどあり、職場を選ぶ自由度はかなり高い。

日本で看護師の資格を取るなんて、よほど忍耐強いスキルを持っているのだから、自分に合った職場を見つかれば、どこででもやっている。
嫌なら辞めればいい。


「今の仕事に価値はあるのか?」なんて考えなくていい。
「自分の価値をどう出すか?」のほうが重要だから。

期待してくれる病院。
信頼できる仲間がいる病院。
喜び合える病院。

こうした職場は探せばいくらでもある。
世の中には、自分の知らいない意外な職場がいくらでもある。


恐れる人のいる病院。
不安ばかりの病院。
嫌悪している病院。

こんな職場はすぐ辞めた方がいい。

あなたの価値が出せないから。


※追記
Facobookで質問があったので追記する。

私が利用した転職サイトはココ
▶「看護roo!」の公式サイトへ




無料で利用でき、病院の内情を詳しく教えてくれ、なおかつ条件の良い病院を探してくれた。
丁寧にサポートしてくれ、個人的にとても感謝しているので紹介しておく。

では。